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インフルエンザで休んだあと|園や学校へ戻れる日の数え方と、治ったことの証明書は必要か
インフルエンザで熱が出て数日。ようやく熱が下がり、子どもも元気を取り戻してくると、次に気になるのは「いつから園や学校に戻ってよいのか」です。熱が下がった日から数えるのか、熱が出た日から数えるのか、カレンダーを前に迷う保護者は少なくありません。学校から治ったことを証明する書類を求められるのかも、気になるところです。
厚生労働省のインフルエンザQ&Aは、学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」を出席停止期間としていると説明しています。この記事では、こども家庭庁の「保育所における感染症対策ガイドライン」にある日数の数え方を使って、戻れる日の確かめ方を例で示し、証明書の扱いまで整理します。
SECTION 01
熱が下がったら、すぐに園や学校へ戻れる?
熱が下がっても、その日にすぐ戻れるわけではありません。学校保健安全法施行規則が定めるインフルエンザの出席停止期間の基準は、「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」です。
この基準には「発症した後5日」と「解熱した後2日(幼児は3日)」という二つの条件があり、ガイドラインは、この両方の条件を満たす必要があると説明しています。熱が早く下がった場合でも発症からの日数が足りなければ出席停止は続き、反対に発症から5日がたっていても、解熱からの日数が足りなければ続きます。
SECTION 02
「発症した日」は、いつのこと?
ガイドラインによると、インフルエンザで「発症した後5日」というときの「発症」とは、一般的には「発熱」のことを指します。つまり、多くの場合は熱が出始めた日が発症した日になります。
熱が出ないままインフルエンザと診断されることもあります。その場合は、インフルエンザにみられるような何らかの症状がみられた日を、発症した日と考えて判断するとされています。のどの痛みやせきなどが先に出ていたときは、どの症状がいつから出ていたかを覚えておくと、受診や園・学校への連絡の際に役立ちます。
SECTION 03
日数は、どの日から数える?
その日は数えず、翌日が1日目
ガイドラインは、出席停止期間を数えるとき、解熱等の現象がみられた日は期間に入れず、その翌日を1日目とするとしています。発症についても同じで、発症した日(発熱が始まった日)は含めず、その翌日から1日目と数えます。
ガイドラインには、「解熱した後3日を経過するまで」の場合の例が示されています。解熱を確認した日が月曜日なら、月曜日は数えず、火曜日が1日目、水曜日が2日目、木曜日が3日目となり、この3日間を休んで金曜日から出席可能になります。発症した日と解熱した日を「0日目」と考えると、数え間違いを防ぎやすくなります。
SECTION 04
小学生・中学生の場合の数え方の例
小学生や中学生は、「発症した後5日」と「解熱した後2日」の両方を数えます。たとえば、月曜日に熱が出て、水曜日に熱が下がった場合を考えてみましょう。
- 発症した後5日:月曜日は数えず、火曜日が1日目、土曜日が5日目。日曜日から条件を満たす。
- 解熱した後2日:水曜日は数えず、木曜日が1日目、金曜日が2日目。土曜日から条件を満たす。
- 両方を満たすのは日曜日から。この例では、次の登校日の月曜日から登校できる計算になる。
この例では、熱が下がった日から見ると土曜日には条件を満たしますが、発症からの5日がまだ終わっていません。どちらか一方だけを見て日を決めると早すぎることがあるため、二つの条件を並べて、遅いほうの日を確かめるようにしてください。
SECTION 05
幼児の場合は、何が違う?
学校保健安全法施行規則の基準では、幼児は解熱した後の日数が3日になります。ガイドラインが示す保育所の登園のめやすも、乳幼児の場合は「発症した後5日経過し、かつ解熱した後3日経過していること」です。発症から5日という条件は、小学生や中学生と同じです。
たとえば、月曜日に熱が出て、金曜日に熱が下がった幼児の場合、発症した後5日の条件は日曜日から満たします。一方、解熱した後3日は、金曜日を数えずに土曜日が1日目、日曜日が2日目、月曜日が3日目となるため、満たすのは火曜日からです。両方を満たす火曜日から登園できる、という数え方になります。熱が長く続いた場合は、解熱からの日数のほうがあとまで残ります。
SECTION 06
熱がすぐに下がったときは?
熱が出てすぐに下がった場合は、解熱からの日数より、発症からの5日のほうがあとに残ります。たとえば、小学生が月曜日に熱を出し、火曜日に熱が下がった場合、解熱した後2日の条件は金曜日から満たしますが、発症した後5日の条件は日曜日からです。
この場合は、熱が下がって元気に見えても、土曜日までは出席停止です。日曜日から二つの条件をどちらも満たしますが、実際に登校する日は、学校の予定によります。発症からの日数の条件は、熱の下がり方に関わらず同じように数えます。元気になったから早めに戻すのではなく、二つの条件で決まる日まで休ませましょう。
SECTION 07
薬で熱が早く下がったら、早く戻れる?
厚生労働省のQ&Aは、抗インフルエンザウイルス薬の服用を適切な時期(発症から48時間以内)に開始すると、発熱期間は通常1~2日間短縮され、鼻やのどからのウイルス排出量も減少すると説明しています。薬を使うかどうかは、医師の慎重な判断に基づくともされています。
薬を飲んで熱が早く下がった場合でも、出席停止期間の基準そのものは変わりません。解熱からの日数が早く満たされても、発症した後5日の条件は同じように残るため、発症の日から数えた日付もあわせて確かめてください。薬の飲み方や残りの日数については、処方した医師の指示に従いましょう。
SECTION 08
発症した日と解熱した日は、どう記録する?
日数を正しく数えるには、発症した日と解熱した日が分かっていることが前提になります。熱が出た日、受診した日、熱が下がった日を、カレンダーや母子手帳のメモ欄などに書いておきましょう。体温を測った時刻と値も残しておくと、あとから振り返りやすくなります。
- 熱が出始めた日(熱がない場合は、症状が出始めた日)
- 受診した日と、診断を受けた日
- 熱が下がった日
- 二つの条件を満たす日と、戻る予定の日
いったん下がった熱がまた上がった、いつ熱が下がったと考えればよいか分からないといった場合は、家庭だけで日を決めず、医院に相談してください。メモがあれば、相談の際にも経過を伝えやすくなります。
SECTION 09
休んでいるあいだの外出は?
厚生労働省のQ&Aは、一般的に、インフルエンザ発症前日から発症後3~7日間は鼻やのどからウイルスを排出するといわれており、ウイルスを排出している間は外出を控える必要があると説明しています。ガイドラインも、インフルエンザの感染しやすい期間を、症状が有る期間(発症前24時間から発病後3日程度までが最も感染力が強い)としています。
出席停止のあいだは、園や学校を休むだけでなく、習い事や人の集まる場所への外出も控えて、家で過ごすことが基本になります。熱が下がって退屈し始める時期ですが、二つの条件を満たす日までは、家の中で静かに過ごせる遊びを用意しておくと、子どもも保護者も過ごしやすくなります。
SECTION 10
医師が認めた場合の「ただし書き」とは?
厚生労働省のQ&Aが紹介する学校保健安全法の出席停止期間には、ただし書きがついています。病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときは、この限りではないとされています。
これは、医師の判断によって期間の扱いが変わる場合があるという意味です。保護者が「もう大丈夫そう」と判断して早く戻すためのものではありません。保育所のガイドラインも、子どもの病状が回復し、集団生活に支障がないという診断は、診察に当たった医師が医学的知見に基づいて行うものとしています。期間について気になることがあれば、医師に相談してください。
SECTION 11
学校に、治ったことの証明書は必要?
治癒証明書・陰性証明書は不要
厚生労働省のインフルエンザQ&Aは、児童生徒等がインフルエンザに感染し、学校保健安全法における出席停止期間が経過したあとに、改めて検査を受ける必要はなく、学校に復帰する場合には、治癒証明書や陰性証明書の提出は不要であると示しています。
出席停止期間が終わったことを確かめるために、もう一度検査を受けに行く必要はないということです。熱が下がったことや戻る日を学校へ連絡する方法は、学校ごとに案内があるため、その案内に沿って伝えましょう。
SECTION 12
保育園では、意見書や登園届が必要?
保育所については、ガイドラインが、登園を再開する際の取扱いを個々の保育所で決めるのではなく、市区町村の支援の下、地域の医療機関や医師会、学校等と協議して決めることが大切だとしています。協議の結果、疾患の種類に応じて「意見書(医師が記入)」または「登園届(保護者が記入)」を保護者から保育所に提出する、という取扱いが考えられるとされています。
インフルエンザは、医師が意見書を記入することが考えられる感染症の一つに挙がっています。ただし、意見書や登園届は一律に作成・提出が必要となるものではありません。意見書の参考様式には、必ずしも治癒の確認は必要なく、症状の改善が認められた段階で記入することが可能とも書かれています。通っている園の決まりを、早めに確かめておきましょう。
SECTION 13
出席停止が終わっても、せきが続くときは?
厚生労働省のQ&Aは、排出されるウイルス量は解熱とともに減少するものの、解熱後もウイルスを排出するといわれていると説明しています。排出期間の長さには個人差があるとされています。
そのため、せきやくしゃみなどの症状が続いている場合には、不織布製マスクを着用するなど、周りの方へうつさないよう配慮することが勧められています。マスクを着けられる年齢かどうかは子どもによって違うため、園や学校での過ごし方に不安があるときは、戻る前に担任や園と相談しておきましょう。せきが長引く、また熱が出たといった変化があるときは、受診を考えてください。
SECTION 14
園や学校へ連絡するとき、何を伝える?
休んでいるあいだに園や学校へ連絡するときは、発症した日、受診して診断を受けた日、熱が下がった日を伝えられるようにしておくと、戻る日の確認がしやすくなります。きょうだいで通う先が違う場合は、それぞれの決まりも分けて確かめましょう。
保育所に通う子は、意見書や登園届が必要かどうかも、このときに確かめておくと安心です。必要な場合に、戻る日の直前になって慌てずに済みます。小学校や中学校では、出席停止期間が終わったあとの治癒証明書や陰性証明書は不要とされていることも、あわせて覚えておきましょう。
SECTION 15
きょうだいや保護者があとからかかったときは?
きょうだいがあとから発症した場合、その子の出席停止の期間は、その子自身が発症した日と解熱した日から数えます。上の子の日程に合わせて一緒に戻すのではなく、一人ずつ日付を記録しておきましょう。小学生と幼児のきょうだいでは、解熱した後の日数が2日と3日で違う点にも気をつけてください。
保護者自身がかかった場合について、厚生労働省のQ&Aは、職場が従業員に対して治癒証明書や陰性証明書の提出を求めることは望ましくなく、提出は不要としています。陰性を証明することが一般的に困難であることや、医療機関に過剰な負担をかける可能性があることが理由に挙げられています。
SECTION 16
戻る日に迷ったときは、医院へ相談を
発症した日や解熱した日がはっきりしない、熱がぶり返した、せきが強く続いているなど、数え方だけでは決めきれないことがあります。そのようなときは、家庭だけで判断せず、たかしまこどもクリニックに相談してください。同院の診療案内には一般小児科があり、院長の高島悟医師は日本小児科学会認定の小児科専門医です。
受診の前には、発症した日と解熱した日のメモ、今の体温、せきなどの症状が続いているかを用意しておくと、相談が具体的になります。診療時間や予約の方法は、医院の公式サイトで最新の案内を確かめてから来院しましょう。
FAQ
よくある質問
熱が出たのは夜でした。その日を発症した日として数えますか?
ガイドラインでは、発症した日(発熱が始まった日)は数えず、その翌日を1日目とするとされています。熱が出た時刻によって扱いが変わるかどうかはガイドラインに書かれていないため、迷うときは医院に相談してください。
小学校から治癒証明書を出すように言われました。必要ですか?
厚生労働省のQ&Aは、出席停止期間が経過したあとに学校に復帰する場合、治癒証明書や陰性証明書の提出は不要としています。学校の案内について分からない点があるときは、学校に確かめてください。
保育園に通っています。登園の日は小学生と同じですか?
保育所における感染症対策ガイドラインでは、乳幼児の登園のめやすは「発症した後5日経過し、かつ解熱した後3日経過していること」です。解熱からの日数が小学生の2日より1日多くなります。
運営者
たかしまこどもクリニック






