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プール熱(咽頭結膜熱)|熱とのどの痛み、目の充血が出たときに家族にうつさない工夫と、受診の目安
子どもが熱を出し、のどを痛がっていたところに、目まで赤くなってきた。そんなとき、保護者が気になるのは「これはプール熱なのか」「きょうだいや家族にうつらないか」「病院へ行くのはどの段階か」といったことではないでしょうか。プール熱かどうか、どの病気なのかの判断は、診察した医師が行います。この記事では、家庭で先に準備できることと、受診を考える目安を整理します。
たかしまこどもクリニックの案内は、プール熱(咽頭結膜熱)を、発熱・のどの痛み・目の充血を主な症状とするアデノウイルスによる感染症として紹介し、家庭での対応にタオルの共用を避けること、目をこすらないこと、安静を保つことを挙げています。こども家庭庁の「保育所における感染症対策ガイドライン」の内容も合わせて、家族内での工夫と、園や学校へ戻る時期の考え方まで順に見ていきます。
SECTION 01
プール熱(咽頭結膜熱)はどんな病気?
たかしまこどもクリニックの案内では、プール熱(咽頭結膜熱)は、発熱・のどの痛み・目の充血を主な症状とする感染症です。原因はアデノウイルスによる感染で、夏場にプールを介して流行しやすいことから、プール熱という名前で呼ばれています。
保育所における感染症対策ガイドラインも、病原体をアデノウイルスとし、主な症状を高熱、扁桃腺炎、結膜炎と説明しています。熱、のど、目の三つがそろってくると思い当たりやすい一方で、症状の出方は子どもによって違います。目の赤さや熱だけで家庭で病名を決めず、気になる症状が続くときは診察で確かめてもらいましょう。
SECTION 02
プールに入っていなくてもうつる?
名前から「プールに入っていなければ大丈夫」と考えがちですが、ガイドラインは主な感染経路を飛沫感染及び接触感染としています。塩素消毒が不十分なプールの水を介して感染することはあるものの、それよりも接触感染によって感染することが多いと説明されています。
流行の時期についても、年間を通じて発生し、特に夏季に流行がみられるとされています。幼児から学童によく発生する病気でもあるため、季節が夏でないから、あるいはプールに行っていないからという理由だけで可能性を外さないことが大切です。園や学校で同じような症状の子がいると聞いたときは、受診の際に伝える材料になります。
SECTION 03
飛沫でうつるとき、家族の距離はどう考える?
ガイドラインは、飛沫感染する主な病原体の一つにアデノウイルスを挙げています。飛沫感染は、咳やくしゃみ、会話のときに飛び散る飛沫を近くにいる人が吸い込むことで起こり、飛沫が飛び散る範囲は1~2mとされています。
同じガイドラインは、飛沫感染は多くの場合、飛沫を浴びないようにすることで防ぐことができ、感染している人から2m以上離れることや、感染している人がマスクの着用などの咳エチケットを実施することが有効だとしています。家の中で常に2m離れるのは難しいものの、寝る場所を少し離す、看病する大人をできるだけ決めておくなど、家族で工夫できることを話し合っておきましょう。
SECTION 04
症状が出るまでの期間と、うつりやすい時期は?
ガイドラインでは、潜伏期間は2~14日とされています。家族の誰かが発症したあと、ほかの家族に症状が出るまで少し時間があいても不思議ではありません。きょうだいに今は症状がなくても、しばらくは体調の変化に気をつけておきましょう。
感染しやすい期間は、発熱、充血等の症状が出現した数日間とされています。さらにガイドラインは、治癒後も長時間、便中にウイルスが排出されていることにも触れています。熱が下がって元気が戻ってきたあとも、トイレやおむつ替えのあとの手洗いは続けておくと安心です。
SECTION 05
家族にうつさないため、タオルはどう分ける?
顔や手をふくものを、一人ずつに
医院の案内で家庭での対応の最初に挙がっているのが、タオルの共用を避けることです。ガイドラインも、感染力が強いため、タオル等の共有は厳禁としています。洗面所やキッチンに家族共用のタオルを一枚かけている家庭では、この時期だけでも使い方を見直しておきましょう。
具体的には、家族それぞれのタオルを分けて、どれが誰のものか分かるようにしておくと取り違えを防げます。小さな子は近くにあるタオルで顔や手をふいてしまうことがあるため、子どもの手が届く場所には本人用のものだけを置く、といった工夫も考えられます。
- 洗面所・キッチン・トイレの共用タオルを、一人ずつのものに替える。
- 本人用のタオルは色や置き場所を変えて、ほかの家族が使わないようにする。
- 子どもの手が届く場所には、本人用のタオルだけを置く。
SECTION 06
目の充血があるとき、家庭で気をつけることは?
医院の案内は、家庭での対応として、目をこすらないことを挙げています。目が赤いと、子どもは気になって手でこすりがちです。こすらないように声をかけるとともに、こすりそうな様子に大人が気づけるよう、そばで見守りましょう。
目やにが出ている、目を痛がるといった様子があるときは、それがどの程度か、どちらの目か、いつからかを見ておくと、受診の際に伝えやすくなります。医院の案内は、目やにや目の痛みが強いときを受診の目安の一つにしています。目の症状を家庭で処置して済ませようとせず、強いときは診察を受けてください。
SECTION 07
手洗いは、どんな場面で丁寧にする?
ガイドラインは、飛沫感染及び接触感染への対策として、手洗いの励行などの一般的な予防法を実施することが大切だとしています。子どもの看病で顔をふいたり、鼻をかませたりしたあとは、大人も手を洗うようにしましょう。
とくに丁寧にしたいのが、トイレのあとと、おむつを取り替えたあとです。ガイドラインは、治癒後も長時間、便中にウイルスが排出されているため、排便後又はおむつを取り替えた後の手洗いは、石けんを用いて流水で丁寧に行うよう示しています。おむつを使っている弟や妹がいる家庭では、交換のたびの手洗いを家族で共有しておきましょう。
- 子どもの顔や鼻をふいたあと
- トイレのあと、おむつを取り替えたあと
- 食事の準備や食事の前
SECTION 08
家の中で、みんなが触る場所はどうする?
ガイドラインは保育所内で咽頭結膜熱が発生した場合の対策として、ドアノブ、スイッチ等の複数の人が触れる場所の消毒を励行するよう挙げています。また、アデノウイルスは乾燥にも強いことから、流行状況にあわせて遊具の消毒が求められるとしています。
これは保育所向けの内容ですが、家庭でも、ドアノブや照明のスイッチ、共有のおもちゃなど、家族が同じように触れる場所はあります。どこを誰が触っているかを見直し、子どもが使ったおもちゃをきょうだいと共有する時期を少しずらす、といった工夫を家族で話し合っておくとよいでしょう。消毒をするときは、使う製品の表示に従ってください。
SECTION 09
熱があるあいだ、家ではどう過ごす?
医院の案内は、家庭での対応の一つに安静を保つことを挙げています。熱やのどの痛みがあるあいだは、無理に遊ばせたり外出したりせず、家で体を休ませることが基本になります。
ガイドラインは、咽頭結膜熱にはワクチンや有効な治療法はなく、対症療法が行われると説明し、多くの場合は自然経過で治癒するとしています。だからこそ、家庭では休ませながら、熱の高さと続いている日数、のどの痛みで食べたり飲んだりできているか、目の様子を見ておくことが大切です。こうした様子は、受診するかどうかを考えるときや、診察で経過を伝えるときに役立ちます。熱が何日続いているかは、熱が出た日を書き留めておけば数えやすくなります。
SECTION 10
受診を考える目安は?
医院の案内に挙がっている三つのサイン
たかしまこどもクリニックの案内は、プール熱の受診の目安として、次の三つを挙げています。どれか一つでも当てはまるときは、受診を考えてください。
- 高熱が続いている
- 目やにや目の痛みが強い
- のどの痛みで食事ができない
のどの痛みで食事ができないときは、飲み物がとれているかどうかも見ておきましょう。三つの目安に当てはまらなくても、いつもと様子が違う、症状が気になるという場合は、自己判断で様子を見続けず、医院に相談してください。受診が必要かどうかの最終的な判断は、医師が子どもの状態を見て行います。
SECTION 11
すぐに救急車を考えるのはどんなとき?
受診の目安とは別に、救急車を呼ぶことを考える状態もあります。厚生労働省の「こんな時は迷わず119へ」は、子どもの唇が紫色、顔色が明らかに悪い、激しい咳やゼーゼーで呼吸が苦しそう、呼吸が弱いといった様子を、救急車を呼ぶ目安としています。
厚生労働省の「救急受診の目安・判断チェックリスト」も、意識や呼吸の異常、出血が止まらない場合を救急車が必要な目安とし、迷っても119番と案内しています。熱や目の充血があるかどうかに関わらず、こうした様子があるときは、迷わず119番に連絡してください。医院の受付の案内とは分けて考えましょう。
SECTION 12
受診のときに、何を伝える?
医院の案内は、受診時に伝えてほしいこととして、発熱の経過、目やのどの症状、周囲での流行状況を挙げています。いつ熱が出て、何度くらいまで上がり、いつごろから目が赤くなったのかをメモしておくと、診察の場で慌てずに伝えられます。
- 発熱の経過(熱が出た日、高かったときの体温、今の体温)
- 目やのどの症状(どちらの目か、目やにや痛みの程度、食事や飲み物がとれているか)
- 周囲での流行状況(園や学校、きょうだいに同じような症状があるか)
たかしまこどもクリニックは、症状を総合的に判断し、感染拡大を防ぐための生活上の注意点も説明すると案内しています。家族への広がりが心配なときは、家庭で気をつけることもあわせて質問しておくと、その後の過ごし方を決めやすくなります。
SECTION 13
目の症状が中心のときは、別の病気のこともある?
ガイドラインは、同じアデノウイルスが原因となる病気として、咽頭結膜熱とは別に流行性角結膜炎を挙げています。流行性角結膜炎は、目が充血し、目やにが出ることが主な症状で、片方の目で発症したあと、もう一方の目に感染することがあると説明されています。
二つの病気は、園へ戻るめやすも違います。ガイドラインでは、流行性角結膜炎の登園のめやすは「結膜炎の症状が消失していること」とされています。熱やのどの痛みがあるのか、目の症状が中心なのかによって扱いが変わるため、家庭でどちらかを決めず、受診の際に症状の経過をそのまま伝えて、医師の判断を受けてください。
SECTION 14
園や学校へ戻れるのはいつ?
ガイドラインは、咽頭結膜熱にかかった子どもの登園のめやすを「発熱、充血等の主な症状が消失した後2日を経過していること」としています。学校保健安全法施行規則では、咽頭結膜熱は第二種の感染症に含まれ、出席停止の期間の基準は「主要症状が消退した後二日を経過するまで」とされています。あわせて、医師が病状から感染のおそれがないと認めた場合の例外も、施行規則に定められています。
日数の数え方について、ガイドラインは、解熱などの変化があった当日は数えに含めず、次の日から1日目と数えると説明しています。たとえば、熱と目の充血などの主な症状がなくなった日が月曜日なら、火曜日が1日目、水曜日が2日目となり、木曜日以降が目安になります。症状がいつなくなったのかを決めるのは家庭だけでは難しいことがあるため、迷うときは医院で相談してください。
SECTION 15
登園するとき、医師の意見書は必要?
ガイドラインには、医師が意見書を記入することが考えられる感染症の一つとして、咽頭結膜熱(プール熱)が挙がっています。ただし、意見書は一律に作成・提出が必要となるものではありません。登園を再開する際の取扱いは、各保育所が市区町村の支援の下、地域の医療機関等と協議して決めることが大切とされています。
協議の結果、意見書の提出が必要となった場合は、事前に保護者へ十分に周知することが重要とされています。通っている園から案内を受けている場合はその決まりに従い、分からない場合は園に確かめておきましょう。園での集団生活に戻れる状態まで回復したかどうかは、診察した医師が判断します。
SECTION 16
家族にうつさない工夫と、受診の目安を整理すると
家庭で先にできることは、タオルを一人ずつに分けること、目をこすらないように見守ること、安静に過ごさせること、トイレやおむつ替えのあとの手洗いを家族で徹底することです。熱が下がったあとも便中にウイルスが出ているとされるため、手洗いは症状が消えたあともしばらく続けましょう。
高熱が続く、目やにや目の痛みが強い、のどの痛みで食事ができないときは受診を考え、唇が紫色、呼吸が苦しそうといった様子があれば迷わず119番に連絡してください。園や学校へ戻る日は、主な症状がなくなった翌日から数えて2日が過ぎてからを目安に、通う先の決まりも確かめたうえで、迷うときは医院に相談しましょう。
FAQ
よくある質問
きょうだいにまだ症状がありません。一緒に過ごしてもよいですか?
ガイドラインでは潜伏期間が2~14日とされているため、今は症状がなくても、しばらくは体調の変化に気をつけておきましょう。タオルを分ける、手洗いを丁寧にするなど、家族全体で接触の機会を減らす工夫を続けることが大切です。
熱が下がって元気になりました。手洗いはもうやめてもよいですか?
ガイドラインは、治癒後も長時間、便中にウイルスが排出されていると説明しています。症状が消えたあとも、トイレのあとやおむつを替えたあとは、石けんを使って流水で丁寧に手を洗いましょう。
目が赤いだけで、熱はありません。プール熱ですか?
目の赤さだけで病名を決めることはできません。病気の判断は診察した医師が行います。目やにや目の痛みが強い、熱が出てきたなど気になる変化があるときは、受診して確かめてもらってください。
運営者
たかしまこどもクリニック






