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赤ちゃんが安全に眠れるように|11月の乳幼児突然死症候群(SIDS)対策強化月間に見直したい寝かせ方
赤ちゃんの唇が紫色、顔色が明らかに悪い、激しい咳やゼーゼーで呼吸が苦しそう、呼吸が弱いときは、すぐに119番で救急車を呼んでください。寝ている赤ちゃんの様子が気になって何度ものぞく夜も、まず呼吸と顔色を見て、こうした状態があれば診療開始を待たずに行動することが大切です。
普段の眠りでは、1歳になるまであおむけに寝かせることがSIDSの発症リスクを下げるポイントです。SIDSは窒息などの事故とは異なり、睡眠中の窒息には寝具や寝床の環境も関わります。11月のSIDS対策強化月間を機に、寝かせ方、掛け布団や寝床の物、保温、家族の喫煙を一つずつ確かめましょう。医学上の理由で別の寝姿勢を勧められている場合は、その指示について医師に確認してください。
SECTION 01
眠っている赤ちゃんの呼吸や顔色が気になるとき、何を先に見る?
1歳未満の赤ちゃんも含む15歳以下の子どもで、唇が紫色、顔色が明らかに悪い、激しい咳やゼーゼーがあって呼吸が苦しそう、または呼吸が弱い場合は、すぐに119番へ連絡し、救急車を呼んでください。眠っている間の呼吸が気になっても、これらの状態が見られるときは、寝かせ方を整えたり通常の診療を待ったりするより、通報を優先します。
顔色と呼吸を分けて確かめる
顔色を見るときは唇の色と顔全体の色を確かめ、呼吸を見るときは弱くなっていないか、激しい咳やゼーゼーとともに苦しそうにしていないかを確かめます。「激しい咳やゼーゼーがあり、呼吸が苦しそう」という目安は、咳だけ、音だけに分けず、組み合わせて捉えてください。一方、呼吸が弱いことは別の救急車を呼ぶ目安です。
SECTION 02
119番では赤ちゃんの状態をどう伝える?
119番につながったら、まず「救急です」と伝え、救急車に来てほしい場所を市町村名から伝えます。慌てて番地まで思い出せない場合も、住所が分からないときは近くの大きな建物や交差点など、場所を示す目印を伝えてください。場所を伝えるために通報を後回しにする必要はありません。
赤ちゃんについて伝えること
続いて、誰に何が起きているかを簡潔に話し、赤ちゃんの意識と呼吸の有無を、分かる範囲で伝えます。たとえば呼吸の様子を見て通報したなら、見たままの状態を伝え、分からないことを無理に言い切らず、指令員の質問に答えてください。すべてを一度に説明しようとせず、聞かれたことを順に伝えれば大丈夫です。
母子健康手帳は、乳幼児のために救急車を呼んだ後に用意すると便利な物です。手帳を探してから連絡するのではなく、先に119番へ通報してください。
SECTION 03
SIDSと睡眠中の窒息は同じもの?
乳幼児突然死症候群(SIDS)は、何の予兆や既往歴もないまま乳幼児が亡くなる、原因の分からない病気です。睡眠中に起こり得る窒息などの事故とは異なります。「眠っているときに起きる」という共通点だけで、同じ原因の出来事として扱わないことが大切です。
一つの対策で防げるとは考えない
SIDSの予防方法は確立していません。そのため、寝床の物を片づけるなど窒息事故に関わる見直しをしたことをもって、SIDSも防げると考えることはできません。反対に、SIDSが原因不明の病気だからといって、睡眠中の事故につながる物や環境を見直す必要がなくなるわけでもありません。病気と事故を区別し、それぞれについてできることを考えましょう。
SECTION 04
1歳になるまでは、どの向きで寝かせる?
1歳になるまでは、医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合を除き、赤ちゃんの顔が見えるあおむけの姿勢で寝かせましょう。うつぶせ寝とあおむけ寝のどちらでもSIDSは起こっていますが、あおむけに寝かせたほうが発症率は低いことが研究で分かっています。あおむけ寝を「起こらなくなる姿勢」と捉えるのではなく、発症率の違いを踏まえた基本の寝かせ方として考えてください。
寝かせ始めるときに、顔が見える向きになっているかを確かめると、普段の習慣にしやすくなります。ただし、医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている赤ちゃんには、この基本を一律に当てはめません。その赤ちゃんについて受けている指示と、一般的な寝姿勢の案内を混同しないようにしましょう。
SECTION 05
布団やマットレスはどんな硬さと形を選ぶ?
赤ちゃんの布団やマットレスを選ぶときは、硬さだけでなく、寝る面に傾斜がないことも確かめましょう。目安は、身体が沈み込みにくく、傾斜のない、安定した硬さの寝具です。柔らかいクッションや傾斜のあるマットレスは避けるよう案内されています。
「硬い」と「平ら」を別々に確認
寝具を見直す際は、まず赤ちゃんの身体が沈み込みやすい柔らかさではないかを確かめ、次に、寝る面が斜めになっていないかを確かめます。硬さが気にならなくても傾斜があれば、二つの目安をともに満たしたことにはなりません。寝具の名称や見た目だけで判断せず、赤ちゃんが寝る面そのものに目を向けてください。これは睡眠中の窒息リスクを下げるための寝具選びの目安であり、個別の製品の安全性を保証するものではありません。
SECTION 06
寒い夜、掛け布団の代わりにどう温度を調整する?
寒い夜でも、1歳になるまでは掛け布団を使わず、スリーパーなどの着るものや空調で温度を調整しましょう。掛け布団は赤ちゃんの顔にかかると、窒息のリスクがあります。「寒そうだから上から掛ける」という方法ではなく、顔に掛け布団がかからない方法を選ぶことがポイントです。
寝かせる前に温度調整を考えるときは、掛け布団を足すかどうかではなく、着るものと空調のどちらで調整するかを考えてみてください。夜中に寒さが気になったときも、掛け布団を使わないという1歳までの目安は変わりません。特定の室温の数値や特定の衣類だけを正解とするのではなく、掛け布団に代わる調整方法を確認しておきましょう。
SECTION 07
寝床から何を取り除く?
赤ちゃんが眠る寝床には物を置かず、周囲もすっきりさせましょう。ぬいぐるみやタオル、電気コードなどは、寝床にあると窒息のリスクにつながります。寝かせる直前には、赤ちゃんの身体を置く場所だけでなく、寝床の周りにそれらが残っていないかも見てください。
寝かせる前の点検
- ぬいぐるみが寝床に置かれたままになっていないか。
- タオルが寝床に残っていないか。
- 電気コードが赤ちゃんの寝床の周囲にないか。
普段は赤ちゃんのそばにない物でも、寝かせるときに置いたままになっていれば確認が必要です。「寝床に何も置かない」を基準にすると、物の種類ごとに迷う前に、赤ちゃんが眠る場所をすっきり整えられます。
SECTION 08
ベビーベッドやベッド柵は何を確認して使う?
ベビーベッドやベッド柵などを使う場合は、国が定めた安全基準の検査に合格した製品を選びましょう。さらに説明書を読み、その製品の対象年齢と使い方を確かめてから使います。ベビーベッドとベッド柵を同じ感覚で扱わず、使おうとしている製品ごとの案内を見ることが大切です。
使い始める前に確認する二点
- その製品が安全基準の検査に合格したものかを確認する。
- 説明書で対象年齢を確かめ、記載された使い方を読む。
見た目がしっかりしていることだけで、検査への合格や対象年齢に合うことを判断しないようにしましょう。赤ちゃんが成長してからも同じ製品を使うなら、対象年齢を思い込みで決めず、その製品の説明書を確認してください。確認すべきなのは製品一般の評判ではなく、実際に使う物の基準と使用方法です。
SECTION 09
着せすぎかどうか、どこを手がかりにする?
寒そうに見えるからと衣服を重ねる前に、赤ちゃんの胸元を触って確かめましょう。赤ちゃんを過度に保温すると、SIDSの発症率が上がります。暖かくすること自体と、暖めすぎている状態を分けて考える手がかりが胸元の汗です。
胸元が汗ばんでいる場合は、着るものや室温で調整しましょう。寝かせるときだけでなく、衣服や室内の暖かさが気になったときにも胸元を確認すると、何を調整するか考えやすくなります。室温を一つの数値に合わせることより、汗ばんでいるかどうかを確かめて対応することが大切です。
SECTION 10
家族のたばこについて、誰と何を話す?
家族でたばこについて話すときは、赤ちゃんが生まれてからのことだけでなく、妊娠中の環境も含めて考えましょう。周囲の人が吸ったたばこの副流煙を妊婦が吸う受動喫煙は、生まれた後の赤ちゃんのSIDS発症リスクになります。妊婦本人が吸っていなければ十分、とは考えないための確認点です。
こども家庭庁は、子どもに関わるすべての大人に禁煙を呼びかけています。保護者の一人だけが気をつける話にせず、赤ちゃんに関わる大人同士でこの方針を共有しましょう。家族で話す際には、誰か一人の習慣として片づけず、妊娠中の受動喫煙と出生後の赤ちゃんとの関わりを分けて確認できます。
SECTION 11
母乳育児はSIDS対策としてどう受け止める?
母乳育児については、母乳で育てられている赤ちゃんのほうがSIDSの発症率が低いことが、研究でわかっています。ただし、これは母乳育児をすればSIDSを防げるという保証ではありません。発症率に関する研究結果と、個々の赤ちゃんに何が起こるかは分けて受け止めましょう。
母乳育児は無理のない範囲で考えることが案内されています。授乳方法を義務として受け止めたり、思うように授乳できないことをSIDSの結果に結びつけて自分を責めたりする必要はありません。家族で話すときも、取り組める範囲という条件を添えて共有しましょう。
SECTION 12
預け先には寝かせ方の何を共有する?
預け先には、家庭で実践している寝かせ方を具体的に伝えましょう。1歳になるまでは、医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合を除き、あおむけに寝かせたほうがSIDSの発症率が低いとされています。医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている赤ちゃんについては、一律の方針に置き換えず、個別に受けた指示を預け先に共有してください。
預け先と確認したい寝床のこと
- 1歳になるまでは掛け布団を使わず、着るものや空調で温度を調整すること。
- 寝床にぬいぐるみ、タオル、電気コードなどを置かず、すっきり保つこと。
「あおむけにする」だけでなく、寒いと感じたときの温度調整や、寝床に物を置かない方針まで伝えると、家庭と預け先で確認する点がそろいます。寝る場所が変わるときにも、同じ点を一緒に見直しましょう。
SECTION 13
休日・夜間に症状で迷ったら、#8000はいつ使える?
くちびるの色が紫色、呼吸が弱いなど、119番の目安に当てはまる場合は、#8000への相談を先にせず、直ちに救急車を呼んでください。#8000は、休日・夜間に子どもの症状への対処や受診を迷う場合の電話相談です。救急車を呼ぶ目安に当てはまる状態と、判断に迷って相談する場面を分けて考えましょう。
#8000では、小児科医師・看護師に症状に応じた対処や受診について相談できます。ただし、実施時間は都道府県ごとに異なります。利用するときは、厚生労働省が掲載する「子ども医療電話相談実施状況」で、お住まいの都道府県の実施時間を確認し、その時間内に相談してください。
SECTION 14
寝かせ方の迷いは乳幼児健診で相談できる?
寝かせ方を続けるうえで個別に気になることがあれば、乳幼児健診で相談することもできます。たかしまこどもクリニックは乳幼児健診・育児相談を案内し、健診では育児の不安や疑問も相談できるとしています。たとえば、家庭でどのように寝かせているか、どの点に迷っているかを整理して伝えると、相談したい内容が明確になります。
これは普段の育児について相談する場の案内です。救急車を呼ぶ目安に当てはまる状態なら、健診の日や通常受付を待たず、直ちに救急車を呼んでください。急な症状への対応と、寝かせ方についての継続的な相談を分けておきましょう。
SECTION 15
11月に家庭で見直す項目をどう残す?
11月をきっかけに家族で寝る環境を見直すなら、こども家庭庁のページに掲載されている「11月SIDS対策強化月間版」のポスターとリーフレットを確認できます。資料の掲載を手がかりに、家庭で続けることと、家族に伝えておくことを整理しましょう。これらを行えばSIDSを確実に防げる、という意味ではありません。
家族で残しておきたい確認点
- 1歳になるまでは、医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合を除き、あおむけに寝かせること。
- 寝床にぬいぐるみ、タオル、電気コードなどを置かないこと。
- 胸元が汗ばんでいれば、着るものや室温で調整すること。
- 子どもに関わる大人への禁煙の呼びかけを家族で共有すること。
寝姿勢に医学上の個別の指示がある場合は、その内容を家族で共有してください。確認点を一度話して終わりにせず、誰が赤ちゃんを寝かせるときも分かるようにしておくと、普段の育児相談でも迷っている点を伝えやすくなります。
FAQ
よくある質問
医師からうつぶせ寝を勧められている場合も、あおむけに変えるべきですか?
医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合は、一律にあおむけへ変える判断はできません。赤ちゃんへの指示を出した医師に、寝かせる向きと家庭での注意点を確認してください。
寝床を整えていれば、SIDSを防げますか?
いいえ、SIDSの予防方法は確立しておらず、寝床を整えることで確実に防げるとはいえません。一方、寝床のぬいぐるみやタオル、電気コードは窒息リスクにつながるため、眠る場所に置かれていないか確認してください。
休日の夜に呼吸が弱く見えるとき、先に#8000へ電話しますか?
いいえ。呼吸が弱い子どもは、厚生労働省がすぐに救急車を呼ぶ目安として挙げているため、119番へ連絡してください。#8000は休日・夜間に子どもの症状への対処や受診を迷う場合の相談先で、利用するときはお住まいの都道府県の実施時間を確認します。
運営者
たかしまこどもクリニック






