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手を引っぱったあと腕を動かさないとき|肘内障を考えるサインと、くり返さないために気をつけたい手の引き方

2026.11.3   子どもの症状

子どものくちびるが紫色、顔色が明らかに悪い、激しい咳やゼーゼーで呼吸が苦しそう、呼吸が弱いときは、15歳以下の子どもについて厚生労働省が示す救急車を呼ぶ目安に当たります。手を引いたあとの腕の様子を確かめる前に、すぐ119番してください。

手をつないで歩く途中で急に引いたあと、子どもが痛がって腕を下げ、使わなくなることがあります。日本整形外科学会はこれを肘内障の症状として説明しています。ただし、転んだり高い所から落ちたりしたあと、肘に激しい痛みと腫れがある場合は骨折も考えます。いつ、どのような動きがあったか、転倒の有無、腕や手指の様子を確かめて受診時に伝えましょう。

SECTION 01

腕の様子を見る前に119番が必要なのはどんなとき?

手を引いたあと子どもが腕を使わなくなっても、まず全身の様子を見てください。15歳以下の子どもで、次のいずれかが見られるときは、腕の様子を調べたり通常の受診先に連絡したりする前に、すぐ119番で救急車を呼んでください。

救急車を呼ぶ目安

  • くちびるの色が紫色
  • 顔色が明らかに悪い
  • 激しい咳やゼーゼーして呼吸が苦しそう
  • 呼吸が弱い

腕の痛みがきっかけで異変に気づいた場合も、これらの全身状態を腕の症状とは分けて確認します。救急車を呼ぶ目安に当たるときは、肘内障かどうかを考えるより救急要請を優先してください。

SECTION 02

手を引いた直後、腕がどう変わったか

子どもの手を引っ張ったあとなどに、痛がって片腕を下げたまま動かさなくなることがあります。肘内障で説明される腕の様子の一つです。手を引く前には使っていた腕を、そのあと使わなくなったのか、変化が起きた順番を思い出してみてください。

「腕を動かさない」という変化だけでなく、痛がる様子と腕を下げたままにしている姿勢も、見たままの言葉で捉えます。手を引いた直後だったという時間のつながりは手がかりになりますが、その場で病名を決めるためのものではありません。

SECTION 03

肘内障では肘のどこに変化が起きる?

「はずれかかる」は何を指す?

肘内障は、肘の靱帯から、肘の外側にある骨の一部「橈骨頭(とうこつとう)」がはずれかかることによって起こります。「肘の骨が折れた」という意味ではなく、靱帯と橈骨頭の位置関係に変化が起きている状態を指す病名です。

「橈骨頭」は耳慣れない言葉ですが、ここでは肘の外側にある骨の部分を指します。病名を聞いたときは、どの部分が靱帯からはずれかかるのかを押さえると、説明を理解しやすくなります。

SECTION 04

5歳以下という年齢は判断にどう関わる?

肘内障は、多くは5歳以下の子どもにみられます。ただし、これは起こりやすい年齢の傾向であって、5歳を超えていれば肘内障ではない、あるいは5歳以下なら肘内障だと決められる、という意味ではありません。

年齢と一緒に見ること

年齢に加えて、どのような状況で腕の様子が変わったか、肘をやや曲げて下げたまま痛がり、動かそうとしないかを併せて見ます。こうした受傷時の状況と姿勢は肘内障を疑う材料になりますが、家庭で病名を確定する材料にはなりません。

SECTION 05

受診時には手を引いた動きをどう伝える?

受診時には、「手を引いた」という一言だけで済ませず、いつ、どのような場面で、どのように引いたあとから様子が変わったかを伝えます。引いた直後に痛がったのか、そのあと腕を下げたままになったのか、覚えている範囲で順を追って話すと、受傷時の状況が伝わりやすくなります。

腕の姿勢は見たままに

肘をやや曲げて下げたままにしているか、痛がって動かそうとしないかも伝えてください。これらは受傷時の状況と併せて肘内障を疑う際の材料ですが、保護者が病名を言い切る必要はありません。見たことと、その変化が始まった場面を分けて伝えることが大切です。

SECTION 06

転んだり落ちたりした後なら、肘の何を見る?

手を引いた場面に気を取られがちですが、腕を使わなくなる前に転んだり、高いところから落ちたりしていなかったかも振り返ってください。転倒や転落などのあと、肘に激しい痛みと腫れがあり、痛くて肘を動かせない場合は、上腕骨顆上骨折を疑う症状の組み合わせです。

確認するのは、転倒・転落という出来事、肘の激しい痛みと腫れ、痛くて肘を動かせない状態が重なっているかどうかです。この組み合わせがあるなら、「手を引いたから肘内障だろう」と決めつけず、受診時に転倒・転落の経過と肘の状態を伝えてください。

SECTION 07

手や指のしびれ・動かしにくさは何を伝える材料?

肘だけでなく、手や指の様子にも目を向けてください。上腕骨顆上骨折で、骨折片によって神経や血管が損傷された場合には、手や指がしびれたり、動かせなくなったりすることがあります。肘を痛がったあとにこうした変化に気づいたら、そのまま受診時に伝える材料になります。

伝える際は、「手や指がしびれると言っている」「手や指を動かせない様子がある」など、気づいたことを具体的に話してください。手指の変化だけで神経や血管の損傷を家庭で判断するのではなく、上腕骨顆上骨折で骨折片がそれらを損傷した場合に起こり得る症状として捉えます。

SECTION 08

動かせる・腫れていないなら骨折は否定できる?

痛みを訴える子どもについて、関節が動くから骨折していない、と自己判断しないでください。少し動かせたとしても、それだけを骨折の有無を決める材料にはできません。腕を使わないなど、痛みと一緒に見られる変化を受診時に伝えてください。

腫れが目立たない場合も

特に乳幼児の骨折では、腫れが少ないこともあります。「腫れていないように見える」という一点だけで骨折を否定せず、痛みを訴えているか、腕を使っているかといった様子を見たまま伝えてください。動かせることや腫れが少ないことを、受診を待てる理由にはしないようにしましょう。

SECTION 09

触ると泣く・手を使わないときはどこへ?

手を引かれたあとに片腕を使わなくなったときは、肘内障だと決めつけず、骨折の可能性も考えてください。子どもが腕に触ると泣く、または手を使わない場合は、骨折を疑って整形外科を受診するよう案内されています。

腫れが目立たなくても、それだけで骨折を否定することはできません。受診時には、手を引かれたときのことに加え、転んだり落ちたりしたことがないか、どこに触れると泣くか、手を使わなくなった様子を伝えてください。

SECTION 10

肘内障と骨折・脱臼は診察でどう区別する?

診察では、受傷時に何が起きたかと、その後の腕の様子が判断材料になります。肘をやや曲げて下げたまま、痛がって動かそうとしない様子から肘内障を疑いますが、その姿勢だけで肘内障と確定するわけではありません。

骨折や脱臼との区別が必要な場合には、X線(レントゲン)検査で骨や関節に異常がないか確認することもあります。すべての子どもにX線検査を行うという意味ではないため、手を引かれたことだけでなく、転倒や転落など受傷時の状況も診察で伝えることが大切です。

SECTION 11

受傷直後のX線で骨折が見えないことはある?

小児の骨折では、受傷直後のX線検査で骨折を確認できないことがあります。撮影直後に骨折が見えなかったという結果だけを根拠に、骨折はないと保護者が判断しないでください。

受傷してからどのくらいで撮影したかは、結果を受け止める際にも重要です。検査結果について説明を受けるときは、受傷直後の撮影だったかを踏まえ、気になっている腕の様子も医師に伝えましょう。

SECTION 12

肘内障と判断されたら、どのような処置を受ける?

診察で肘内障と判断された場合、治療として徒手整復を行います。これは医療者による処置のことで、手を引かれたあとに腕を使わないという様子だけを見て、保護者が家庭で試すための手順ではありません。

処置の話は、肘内障と判断されたあとの話です。受診前に腕を使わない理由を肘内障と決めて処置へ進むのではなく、診察を受けたうえで、その子に必要な対応について説明を聞いてください。

SECTION 13

整復後、腕は普段どおり使ってよい?

肘内障の整復後は、いつもと同じように腕を使ってかまいません。これは肘内障と判断され、整復を受けたあとの説明です。手を引かれた直後に腕を使わない段階にも、そのまま当てはめないでください。

「普段どおり使ってよい」という言葉を、整復前から腕の様子を気にしなくてよいという意味に受け取らないことが大切です。処置を受けたあとの腕の使用については、整復を受けたという時点を区切りに考えましょう。

SECTION 14

くり返さないため、手の引き方で何に気をつける?

肘内障は、手を引っ張られることによって繰り返す場合があります。一度肘内障になったあと、急いで歩かせようとして手を引く場面がないか、日常の関わり方を振り返ってみてください。

気をつけたいのは、整復後に腕を普段どおり使うことと、手を引っ張ることを同じに考えないことです。手を引っ張られることが再び肘内障につながる可能性を念頭に置き、手をつないで移動するときの引き方に注意しましょう。

SECTION 15

休日・夜間に受診を迷ったら#8000をどう使う?

119番の目安に当たる場合は、休日・夜間でも#8000や医院への連絡より救急要請を優先してください。#8000は、救急要請に代わる窓口ではありません。

119番の目安には当たらず、休日・夜間に子どもの症状への対処や受診を迷うときは、#8000で小児科医師・看護師に電話相談できます。電話をかけると、住んでいる都道府県の相談窓口へ自動転送されます。

#8000の実施時間は都道府県ごとに異なります。利用を考えるときは、厚生労働省が案内する「子ども医療電話相談実施状況」で、住んでいる都道府県の実施時間を確認してください。たかしまこどもクリニックへ連絡する場合は、公式サイトで連絡先を確認しましょう。

FAQ

よくある質問

転んだ記憶が曖昧でも、診察で伝えたほうがよいですか?

はい。肘内障を疑う際には受傷時の状況と腕の様子が判断材料になるため、分かる範囲で手を引いた動きや転倒・転落の有無を伝えてください。肘に激しい痛みと腫れがあり、痛くて動かせない場合は骨折も疑われるため、その変化も受診時に伝えましょう。

受診直後のX線で骨折が見えなければ、もう骨折の心配はありませんか?

いいえ、小児の骨折は受傷直後のX線で確認できないことがあります。触ると泣く、手を使わないといった様子がある場合は、その症状を医療機関に伝え、骨折を疑って整形外科を受診してください。

#8000は熊本県からでも同じ時間につながりますか?

全国共通の具体的な受付時間は示されておらず、実施時間は都道府県ごとに確認が必要です。休日・夜間に子どもの症状への対処や受診を迷うときは、熊本県の実施状況を確認して#8000を利用してください。くちびるが紫色など119番の目安に当たる場合は、すぐに救急車を呼んでください。

運営者

たかしまこどもクリニック

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PM 14:00~15:00
-(13:00~14:00)-
午後診療
PM 15:00~18:00
●-●●●●(14:00~16:00)-

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