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抱っこひもからの転落や窒息を防ぐために|前かがみ・おんぶへの切り替えで確かめたいこと
15歳以下の子どもが頭を強くぶつけて出血が止まらない、意識がない、けいれんがある場合や、呼吸が弱い場合は、すぐに119番で救急車を呼んでください。
抱っこひもを使うときは、荷物を取ろうとして前にかがむ場面、抱っこからおんぶに切り替える場面、留め具を確かめる場面に目を向けましょう。子どもの位置や顔の様子も、使用中に確認することが大切です。
SECTION 01
どんな場面で転落事故が起きている?
抱っこひもを使っているときも、保護者は荷物を取ったり、抱っこからおんぶへ切り替えたりと、さまざまな動作をします。消費者庁の「Vol.587 抱っこひもからの転落や窒息に注意!」には、そうした日常の場面で起きた事故例が掲載されています。
一つは、保護者が荷物を取ろうとした際、子どもが抱っこひもから転落した例です。抱っこひもを着けたまま別のことに手を伸ばす場面として、普段の使い方を振り返るきっかけになります。
別の例では、抱っこ中の子どもが後方へ落下し、片側の留め具が半ロックの状態だったようだと記されています。「半ロックだったようだ」という事例中の推定と、留め具の状態が確定していたという説明は同じではありません。留め具を確かめる大切さを考える材料として読みましょう。
また、抱っこからおんぶに変えようとして、子どもが布団の上に落下して頭を打った事例もあります。使い始めた後だけでなく、抱き方を変える途中も、確認する場面に含まれます。
事故例を、普段の動作に照らしてみる
三つの例を自分の生活に当てはめるなら、「荷物へ手を伸ばす場面」「留め具を確かめる場面」「抱き方を切り替える場面」という見出しで振り返る方法があります。事故が起きた人と同じ製品を使っているかだけに注目せず、どのような動作の途中かを分けて見るためです。
家族で確認する際の仮の問いとしては、「抱っこひもの使用中に荷物を取るのはどんなときか」「装着後の確認で見ている箇所はどこか」「おんぶへの切り替え方を何で確認しているか」と整理できます。それぞれの質問を、次の節からの公的な注意や、手元の製品の取扱説明書と照らしていきましょう。
掲載された事故例は個別の出来事です。すべての前かがみで転落するという意味でも、同じ場所や同じ動作でなければ事故は起きないという意味でもありません。事例から一律の危険度を決めるより、使用場面と確認箇所を具体的にするために役立ててください。
SECTION 02
前かがみや抱っこ・おんぶの際はどう動く?
消費者庁は、抱っこひもを使用中に物を拾うなどして前にかがむ際、必ず子どもを手で支えるよう注意しています。物を取ることに気を取られた場面でも、抱っこひもを着けているから支えを省いてよいとは考えず、子どもを支える動作を意識しましょう。
ここでの注意は、抱っこひもを使っている途中の「前にかがむ」という動作についてです。荷物を持ち上げる、床に落ちた物へ手を伸ばすなど、生活の中でどんなときに前にかがんでいるかを振り返ってみると、注意を思い出す場面が具体的になります。
抱くときと、降ろすときの姿勢も別に確かめる
おんぶや抱っこをするとき、また、子どもを降ろすときは、低い姿勢で行うよう消費者庁が案内しています。前にかがむ際の「手で支える」という注意と、抱く・おんぶする・降ろす際の「低い姿勢」という注意を、それぞれの動作と対応させて覚えておきましょう。
- 使用中に前にかがむ場面では、子どもを必ず手で支える。
- 抱っこやおんぶを始める場面では、低い姿勢で行う。
- 子どもを降ろす場面も、低い姿勢で行う。
たとえば外出の前後を振り返る仮の例なら、「出かける前に抱っこする」「移動中に物を取る」「帰宅して降ろす」と、場面ごとに分けられます。最初と最後だけでなく、途中の動作にも注意点があることを確認するための整理です。
このように場面を分けておくと、いつも使っている人が別の家族へ説明するときにも、「着けるときだけ気を付けて」とまとめずに伝えられます。どの場面の注意を話しているのかを先に伝えてから、その場面の動作を一つずつ確認してみてください。
ただし、製品ごとの抱っこからおんぶへの切り替え方や、留め具を操作する順番を、この一般的な注意だけで決めることはできません。具体的な使い方は、その製品の取扱説明書に沿って確かめる必要があります。低い姿勢の高さを、記事独自の数値として決めることもしません。
SECTION 03
留め具や子どもの位置は何で確かめる?
装着状態を確かめるときの基本は、使用する製品の取扱説明書です。消費者庁は、バックル類の留め具、ベルトのゆるみ、子どもの位置や姿勢について説明書を読み、正しく使用するよう注意しています。
「留め具を確認した」と一言で終えるより、説明書に出てくる名称と、手元の製品の箇所を対応させてみましょう。いつも使っている人の呼び方と、説明書の呼び方が違う場合も、図や説明を見ながら、どの箇所について話しているかを確かめられます。
- バックル類の留め具について、説明書で確認する箇所を探す。
- ベルトのゆるみについて、製品の説明と装着状態を照らす。
- 子どもの位置と姿勢を、使用する製品の案内に沿って確かめる。
人の説明を聞いた後も、製品の説明に戻る
別の家族に使い方を教える場合は、口頭の説明だけでなく、同じ取扱説明書を見ながら確認すると、どの部分を確かめたのかを共有できます。「この部分を見ている」ということが分かれば、聞く側も、分からなかった箇所を質問しやすくなります。
確認の仕方を整理する仮の例として、「留め具については説明書のこの図」「ベルトについてはこの説明」「子どもの位置についてはこの部分」と、確かめたい項目と参照する箇所を結び付けられます。説明書に書かれた手順を、自己流の順番に置き換えるための例ではありません。
とくに、別の製品を使った経験がある場合でも、そのときの感覚をそのまま手元の製品へ当てはめないようにします。「以前使っていたものと同じに見える」という印象と、「この製品の説明書で確認した」ということを分けておくと、何を見直す必要があるかがはっきりします。
ベルトの調整方法や留め具の操作、使える月齢などは、製品ごとの案内で確認する事項です。すべての抱っこひもに共通する締め具合や位置を、この記事から決めることはできません。分からない項目が残ったら、その項目の名称や説明書のどの部分かを整理し、製品の案内に沿って確認しましょう。
確認が済んだことと、まだ説明を理解できていないことを分けておくと、家族どうしでも話し合いやすくなります。「たぶん留まっている」と言葉だけで済ませず、使用する製品の説明と照らすことを、装着時の確認の中心に置いてください。
説明する人と実際に使う人が違うときは、使う人自身が、取扱説明書のどの部分を見ればよいかを確かめる方法があります。「ベルトの説明はここ」「子どもの姿勢の説明はここ」と参照先を見つけられれば、後で迷ったときにも確認する箇所へ戻れます。説明した人が理解していることと、使う人がその場で確認できることを、同じにしないための工夫です。製品の説明と照らしてまだ分からない点は、項目ごとに残しておきましょう。
消費者庁は、抱っこひもがSGマークの対象品目であることも紹介しています。SGマークは、一般財団法人製品安全協会の定める安全基準に適合すると認証された製品に表示できるものです。製品を選ぶ際の参考としつつ、お子さんの発達と対象年齢に合うかを確かめ、実際の使用ではその製品の取扱説明書に従うよう案内されています。
SECTION 04
顔が押し付けられていないか、どう確かめる?
抱っこひもを装着している間は、留め具などの確認に加えて、お子さんの顔や様子にも目を向けます。消費者庁は、保護者の身体に顔を強く押し当てられた状態などで気道をふさぐことがないよう装着し、子どもが苦しそうでないかをこまめに確認するよう注意しています。
ここで確かめたいのは、装着したときだけの状態ではありません。抱っこひもを使っている間、お子さんの顔が身体へ強く押し付けられていないか、苦しそうな様子がないかを、引き続き気に掛けることが大切です。
装着箇所と、子どもの様子を分けて見る
バックルやベルトを確認することと、子どもが苦しそうでないかを確認することは、見る対象が異なります。留め具の確認が終わったことだけで、お子さんの様子まで確認したつもりにならないようにしましょう。
日々の使い方を振り返るときは、「自分はどのタイミングで顔や様子を見ていたか」「別の作業をしている間、お子さんの様子へ意識を戻せていたか」という問いにできます。これは安全を判定するための回数表ではなく、使用中にも確認を続けるという注意を、自分の行動に結び付けるための問いです。
説明を共有する際も、「ちゃんと着けているか」という一つの言葉にまとめるより、取扱説明書で確認する装着状態と、使用中のお子さんの様子を、別の確認事項として伝えられます。話を聞く側が何を確かめるのかを、具体的にしておきましょう。
ただし、顔の見た目に異常が見当たらないことだけで、呼吸の状態や安全を判断することはできません。また、厚生労働省は、15歳以下の子どもで呼吸が弱い場合を、すぐに救急車を呼ぶ目安に挙げています。こうしたときは装着の点検を続けるより、119番で救急車を呼んでください。
こまめな確認について、この記事独自の間隔や回数を設けることはしません。使用中に子どもが苦しそうでないかを確かめるという消費者庁の注意と、呼吸が弱い場合の緊急の行動を、それぞれの役割で受け止めてください。
SECTION 05
譲り受けた抱っこひもや転落後はどう考える?
15歳以下の子どもが頭を強くぶつけ、出血が止まらない、意識がない、またはけいれんがある場合は、厚生労働省が示す、すぐに救急車を呼ぶ目安に当たります。その場合は119番へ通報し、#8000や医院の通常の相談を先に挟まないでください。
譲り受けるときは、説明書も一緒に確かめる
消費者庁が紹介した事故例には、友人から譲り受けた抱っこひもの使い方を聞いたものの、取扱説明書は受け取っていなかったという例があります。これはその事例の状況であり、譲り受けた製品すべての状態を表すものではありません。
手元の製品を確認するときは、使い方を教わった記憶と、実際に参照できる取扱説明書を分けて考えます。説明を聞いて分かったつもりになっていても、バックルやベルト、子どもの位置や姿勢について迷ったとき、何を見て確認するかを用意しておくことが大切です。
製品を受け取る際の確認を整理するなら、「この製品の取扱説明書を受け取ったか」「分からない操作を説明書で確認できるか」「付属品について説明と手元の品を照らせるか」と、一つずつ確かめる形にできます。必要な付属品の一律の一覧や、不足した状態で使用できるかどうかを、この記事で決めることはできません。
中古品を受け取るときについては、リコール対象ではないか、修理・改造や不具合がないか、製造年はいつかという情報も、消費者庁の確認項目に挙げられています。付属品や消耗品を含めた状態と、同時に入手した取扱説明書を照らすことが大切です。
転落してしまった後は、子どもの状態を相談する
事故例に検査や入院の経過が書かれていても、それを使って目の前のお子さんに必要な検査や観察時間を決めることはできません。転落後に受診すべきか迷う場合は、子どもの状態を医療機関などへ相談しましょう。
相談する際は、「抱っこひもの使用中に転落した」「抱っこからおんぶへ切り替える途中だった」など、実際に起きたことを先に説明できます。その後に見られた変化や、いま気になっている様子について、見聞きしたことを伝えてください。事故の起きた場面を確認することと、家庭で診断をつけることは別です。
休日・夜間に、子どもの症状にどう対処するか、病院を受診するかなどで迷う場合は、子ども医療電話相談事業の#8000も相談先です。居住する都道府県の実施時間内に、小児科医師・看護師へ電話で相談できます。利用前には、厚生労働省が案内する都道府県別の実施状況を確認してください。
「全国共通の番号だから、どこでも同じ時間に利用できる」とは考えず、お住まいの都道府県の案内を見ましょう。また、救急車を呼ぶ目安に症状が挙がっていないことだけで、安全である、翌朝まで待てると判断することもできません。不安や判断の迷いは、具体的な状態とともに相談先へ伝えることが大切です。
受診や相談の際に確認したいことをまとめるなら、「どんな場面で転落したか」「その後どんな様子を見たか」「いま何が心配か」の三つに分けられます。分からない部分を推測で埋めず、相談先から尋ねられた内容に沿って答えましょう。緊急の目安がある場合には、これらをメモに仕上げるために通報を遅らせないでください。
運営者
たかしまこどもクリニック






