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薬を飲ませにくいときに小児科で相談できること(1歳前後)
お子さんのくちびるが紫色、顔色が明らかに悪い、激しい咳やゼーゼーで呼吸が苦しそう、呼吸が弱い、厚生労働省は、15歳以下の子どもにこうした状態があるときは、すぐに救急車を呼ぶ目安としています。薬を飲ませられないことへの対処を考える前に、まず呼吸や顔色などを確認してください。緊急性が高いと判断したときは、通常の診療受付や♯8000を先に利用せず、119番へ連絡してください。
救急の目安に当てはまらなくても、薬を飲めなかった理由や、その後の状態を薬の名前だけで説明するのは難しいものです。いつ、どの薬を、どのように飲ませようとして、どれほど飲めたか。あわせて症状の経過や水分、睡眠、普段との様子の違いを手元に整理しておくと、相談時に状況を伝えやすくなります。飲み直しや食べ物への混ぜ方は薬ごとに確認が必要なため、自己判断で決めず、処方内容を示して相談してください。
SECTION 01
薬の相談より先に119番が必要なのはどんなとき?
まず、くちびると呼吸を確認
15歳以下の子どもで、くちびるの色が紫色の場合、または激しい咳やゼーゼーして呼吸が苦しそうな場合は、直ちに119番で救急車を呼んでください。1歳前後の子どもも、この目安の対象です。薬をどう飲ませるか考えたり、通常の服薬相談を始めたりするより先に、くちびるの色と呼吸の様子を見てください。
咳があるかどうかだけでなく、「激しい咳やゼーゼーして呼吸が苦しそう」かを確認することが大切です。くちびるが紫色なら、咳の有無を確かめ終えるのを待たずに119番してください。ここに挙げた状態が見られないことだけを、受診を待てる理由にはしないでください。
SECTION 02
吐いたり下痢をしたりしている場合、何を一緒に確認する?
下痢・嘔吐は、ほかの状態も合わせて見る
15歳以下の子どもについては、「激しい下痢や嘔吐で水分が取れず、食欲がなく、意識がはっきりしない」という状態が、すぐに救急車を呼ぶ目安に挙げられています。この状態に当てはまる場合は、薬を飲ませ直すかどうかを考える前に、直ちに119番してください。
吐いた回数や下痢をした事実だけで、この複合した目安に該当すると決めるものではありません。一方、条件の一部しか確認できない場合に、安全だと決めることもできません。見聞きしたままの状態を区別し、水分が取れているか、食欲はどうか、意識ははっきりしているかを確認してください。
SECTION 03
119番では子どもの状態をどう伝える?
通報では場所を先に、状態は簡潔に
119番通報時は、まず「救急です」と伝え、救急車に来てほしい住所を市町村名から伝えてください。住所が分からなければ、近くの大きな建物や交差点など、場所の目印になるものを伝えます。住所を調べ終えるまで通報を控えるのではなく、分かる場所の情報を伝えてください。
子どもの状態は、「誰が、どのようにして、どうなったか」を短く伝えます。たとえば、くちびるの色や呼吸について実際に見たことを言葉にし、意識と呼吸の有無も分かる範囲で伝えてください。確かめられないことを推測で埋める必要はありません。通報中は質問に沿って、落ち着いて答えてください。
SECTION 04
救急車を呼んだ後、乳幼児の持ち物は何を用意する?
持ち物は通報を済ませてから
乳幼児のために救急車を呼んだ後は、手元にある物を用意します。母子健康手帳、紙おむつ、ほ乳瓶、タオルは、乳幼児の場合に用意しておくと便利な物として挙げられています。準備ができてから119番するのではありません。通報を先に済ませ、救急車が来るまでに用意できる範囲でそろえてください。
マイナ保険証または資格確認書、診察券、普段飲んでいる薬やお薬手帳も、救急車を呼んだ後に用意しておくと便利な物です。
持ち物が別々の場所にある家庭では、通報後に手元の物を一か所にまとめると、何を用意できたか見直しやすくなります。普段飲んでいる薬を用意する場合は、今回飲ませようとしていた薬と、ふだん使っている薬を混同しないよう、それぞれ手元で区別しておきます。
SECTION 05
飲ませようとした薬について、何を手元にそろえる?
相談する薬を取り違えないために
緊急の目安に当てはまらず、薬を飲ませにくいことを相談するときは、まず対象の薬を特定できるようにしましょう。薬の袋や手元の説明を見て、名前と処方された内容を確認します。複数の薬があるなら、どの薬について困っているのかを分けて伝えると、話の対象が明確になります。
説明に書かれた内容と、実際に飲ませようとして困った点は別々に伝えてください。薬の名前だけから、食べ物に混ぜてよいか、形を変えてよいか、飲めなかった分をどう扱うかは決められません。手元の情報を示したうえで、その薬について個別に確認してください。
薬の袋がいくつもある場合は、袋の記載と手元の薬を見比べ、今回飲ませようとしたものがどれか分かる状態にしておきます。飲ませにくかった薬とは別に処方された薬まで、一つの出来事としてまとめないことが大切です。袋の文字を読んでも区別できないときは、区別できないこと自体を相談時に伝えられます。
薬の説明を手元に置くのは、その内容どおりに飲めたかを自己判定するためではなく、相談相手と同じ記載を確認するためです。例えば、手元の説明にある薬の名前と、保護者が困っている薬についての認識が一致するかを確かめられます。説明が見当たらなければ、記憶で書かれていた内容を補わず、確認できる物だけを示しましょう。
処方時に受け取った袋や説明と、今手元に残っている薬を分けて考えると、何を見て話しているのか明確になります。名称を読み上げるときに自信がなければ、見えている表記をそのまま伝えてください。この段階で混ぜ方や薬の形の変え方を決めるのではなく、対象を特定したうえで困った状況を個別に相談するための準備です。
SECTION 06
最後に飲ませようとしたのはいつ?
処方された時点と、試みた時点を分ける
相談前に、最後に薬を飲ませようとした時刻を思い出せる範囲で確認します。「薬を受け取った時間」「飲ませる予定だった時間」「実際に口に入れようとした時間」は同じとは限りません。どの時間について話しているのかを分けると、飲めなかった経過を伝えやすくなります。
時刻がはっきりしないときは、正確な数字を作らず、「食事の後に試した」など覚えている順序をそのまま伝えてください。時刻を記録する目的は経過を共有することであり、その時刻だけを根拠にもう一度飲ませてよいか判断することではありません。次にどうするかは、薬と実際の状況を伝えて確認してください。
SECTION 07
口に入れた後、どこまで飲めたか分かる?
「飲めなかった」の内訳を伝える
薬を口に入れる前から受け付けなかったのか、口に入れた後に途中で吐き出したのかを分けて整理しましょう。見たままを伝えることが大切で、「少しは飲んだように見えたが、量は分からない」なら、そのままそう伝えてかまいません。残った薬の量から飲めた量を推定して、確かな量として伝えることは避けてください。
吐き出した場合も、口に入れたことと、どれだけ飲み込めたかは別の話です。分からない部分を残したまま、起きた順番を相談相手に説明してください。飲み直しや再投与を自分で決めるための記録ではなく、個別の対応を確認するための情報です。
「飲めなかった」と伝える前に、口に近づけた段階で嫌がったのか、口には入ったが飲み込んだ様子を確認できなかったのかを思い返してみましょう。同じ言葉でも、保護者が実際に見た場面は異なります。口から薬が出たところを見た場合は、その事実と、飲み込んだかどうか分からない部分を分けて話します。
途中で吐き出したように見えても、口に入る前にこぼれた分と、口から出てきた分を正確に区別できないことがあります。後から残りを見て量を数字に置き換えるより、「容器には残っている」「口の周りについた」など、確認できた範囲をそのまま示すほうが、見ていない部分を確かな情報として伝えずに済みます。
子どもが動いていて飲み込む瞬間を見られなかったなら、見えなかったことも相談材料です。試した回数を思い出す際も、口に近づけた回数と実際に口に入った回数を混ぜずに説明します。量が不明なままでも、見た順番を話せるよう整理し、飲み直しを自己判断するためではなく、次にどう扱うか確認するために伝えましょう。
SECTION 08
食べ物や飲み物と一緒にした場合、何を伝える?
一緒に使った物と、実際の扱い方を伝える
食べ物や飲み物と一緒に薬を飲ませようとした場合は、何を使ったかを具体的に伝えてください。薬をそのまま添えたのか、食べ物や飲み物に加えたのかなど、実際に行ったことを分けて説明します。使った物の名前だけでは、その薬をどう扱ったかまでは伝わりません。
その方法で飲めたか、途中でやめたかも、分かる範囲で付け加えましょう。ただし、ある食べ物や飲み物と一緒にできた経験を、別の薬でも同じように使えるという判断には広げないでください。今後の飲ませ方や混ぜてよいかどうかは、対象の薬と実際に試した方法を示して個別に確認してください。
SECTION 09
飲めなかった後、症状はどう変わった?
症状の始まりと服薬後を分けてメモする
薬を飲ませようとした時刻だけでなく、気になる症状がいつ始まったかも分けて振り返りましょう。飲ませる前からあった症状なのか、その後に気づいた症状なのかを区別すると、診察時に経過を伝えやすくなります。時刻を正確に覚えていなければ、「食事の前」「昼寝から起きた後」など、思い出せる範囲で構いません。
変化を伝えるときは、最初に気づいた様子、途中で変わったこと、いま見えている様子を順に整理します。「いつもと違う」だけで終わらせず、何を見てそう感じたかを言葉にしておくと、飲めなかったことと子どもの状態を別々に相談できます。見ていない時間帯の様子や、症状と薬の因果関係を推測して埋める必要はありません。
SECTION 10
水分が取れないとき、ほかに何を確認する?
水分・食欲・意識を一緒に確認する
15歳以下の子どもについて、激しい下痢や嘔吐で水分が取れず、食欲がなく、意識がはっきりしないときは、すぐに救急車を呼ぶ目安です。薬が飲めたかどうかの相談を先にせず、119番に連絡してください。この目安は複数の状態を合わせたもので、「水分をあまり飲まない」という一部分だけに置き換えて判断するものではありません。
状況を伝えるためには、下痢や嘔吐がどのような様子か、水分を取ろうとして実際にはどうだったか、食べ物を受けつけているかを分けて見ておきます。さらに、呼びかけたときの様子など、意識について実際に確認できたことを添えます。確認できないことは「確認できていない」と伝えればよく、食欲や意識を水分の様子から推測しないでください。
SECTION 11
眠っているときの反応はどう伝える?
「眠っている」と「意識がはっきりしない」を分ける
子どもが眠っているときは、「眠っている」という事実と、呼びかけたときに実際に見られた反応を分けて伝えましょう。いつから眠っているように見えたか、声をかけた際にどのような様子だったかなど、確認した範囲をそのまま言葉にします。普段の睡眠との違いが気になる場合も、違うと感じた点を具体的に伝え、眠っているだけで意識の状態を決めつけないことが大切です。
一方、15歳以下の子どもが激しい下痢や嘔吐で水分が取れず、食欲がなく、意識がはっきりしないときは、すぐに救急車を呼ぶ目安です。この状態なら、眠り方の説明を整えてから相談先を探すのではなく、119番に連絡してください。「よく寝ている」という表現だけで意識の様子を言い表そうとせず、確認できた反応と、まだ分からないことを区別して伝えます。
SECTION 12
休日・夜間に受診を迷ったら、♯8000は使える?
救急車を呼ぶ状態なら、電話相談より119番
すぐに救急車を呼ぶ目安に当てはまる状態では、♯8000への相談を先に挟まず、119番に連絡してください。♯8000は、緊急時の連絡を遅らせるための窓口ではありません。子どものいまの状態を確認したうえで、受診や対処をどうするか迷っている場合の相談先として区別しましょう。
休日・夜間に子どもの症状への対処や病院を受診したほうがよいかの判断に迷う保護者は、♯8000で小児科医師・看護師に電話相談できます。たとえば、薬が飲めなかった経過に加えて別の症状も気になり、受診について迷うときは、症状がいつからどう変わったか、いま見えている様子を整理して伝えます。薬ごとの飲ませ方や、飲めなかった分をどう扱うかは、電話相談の仕組みだけから決めず、個別の確認が必要です。
SECTION 13
♯8000に電話できる時間はどこで確認する?
住んでいる都道府県の実施状況を見る
♯8000に電話できる時間を調べるときは、全国共通の受付時間があるものとして探さず、住んでいる都道府県の実施状況を確認してください。厚生労働省ホームページの「子ども医療電話相談実施状況」に、都道府県別の実施時間が掲載されています。以前調べた時間や、別の地域で聞いた時間をそのまま当てはめないことが大切です。
確認する際は、自分の居住都道府県の欄を選び、利用したい曜日と時間帯に対応しているかを最新情報で確かめます。休日や夜間というだけで、いま必ずつながるとは判断できません。電話をかける前に地域と時間を見直しておくと、相談できる時間帯かどうかを取り違えにくくなります。ここで確認するのは♯8000の実施時間であり、個々の医院の受付時間とは別です。
SECTION 14
「こどもの救急」は1歳前後の相談にどう位置づく?
時間外の受診判断を考えるための目安
「こどもの救急」は、生後1カ月から6歳までの子どもを対象に、夜間・休日など診療時間外に病院を受診するかどうかの判断の目安を提供しています。1歳前後の子どもについて、診療時間外の受診を考える際に、対象年齢と利用場面を確かめたうえで参照できます。日中の通常の診療を受けるための手続きや、各医院の時間外受付を示すものとしては扱わないでください。
利用するときは、子どものいまの症状を確認しながら、受診を考える際の材料として読みます。ただし、病院を受診するかどうかの最終的な判断は家族自身が行うものです。また、受診判断の目安から、処方薬を何に混ぜるか、吐き出した後にどうするかといった個別の服薬方法を導くことはできません。受診について考えることと、薬の扱いを処方内容に沿って確認することは分けておきましょう。
SECTION 15
小児科へは何から順に伝える?
薬の情報から、いまの様子へ
小児科へ相談するときは、まず処方された薬が分かるものを手元に置き、どの薬について困っているかを伝えます。次に、飲ませようとした時刻、実際に飲めたと確認できる範囲、口から出したなど目にした出来事を順に話しましょう。「全部飲めなかった」と思っても、どれだけ口に入ったか分からなければ、そのまま分からないと伝えます。曖昧な記憶を量に置き換えないことが、個別の対応を確認するうえで大切です。
続けて、症状が始まった時点とその後の変化、相談する時点での子どもの様子を伝えます。薬を飲ませる前からの症状か、後から気づいたことかを分けると、出来事の順序が伝わりやすくなります。最後に、飲めなかった薬をどう扱うか、次に飲ませる際に何を確認すべきかを質問してください。薬の種類が分からないまま、混ぜ方や飲ませ直し方を自己判断で決めるための手順ではありません。
FAQ
よくある質問
飲ませた直後に吐き出した薬は、同じ量をもう一度飲ませてもよいですか?
薬の種類や実際に飲めた量が分からないまま、飲み直してよいとは決められません。薬の名前、飲ませた時刻、吐き出した状況を控え、処方した医療機関などに個別に確認してください。
休日の夜、受診するか迷う場合は♯8000に相談できますか?
休日・夜間に子どもの症状への対処や受診を迷う場合、♯8000は電話相談先の一つです。お住まいの都道府県の実施時間を確認してください。ただし、くちびるが紫色、激しい咳やゼーゼーで呼吸が苦しそうなどの救急の目安に当てはまる場合は、相談を先にせず119番へ連絡してください。
救急車を呼んだとき、薬について何を用意しておけばよいですか?
119番への連絡を先に行い、救急車を呼んだ後で、普段飲んでいる薬やお薬手帳などを用意できます。乳幼児の場合は母子健康手帳も持ち物として案内されています。通報では住所と子どもの状態を伝え、準備のために連絡を遅らせないでください。
運営者
たかしまこどもクリニック






